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改正電気事業法とは?改正電気事業法について詳しく説明

改正電気事業法とは?改正電気事業法について詳しく説明

最近は、電気事業法の改正について賑わっています。
電気事業法は、これまでにも何度も改正されてきているので、その歴史を把握することも重要になってくるでしょう。
そして、近年は特に改正されているので、その影響が一般的な消費者の生活にどのような影響を与えるのかについてもしっかりと確認しておきたいところではないでしょうか。
また、得られるメリットはしっかりと得ていきたいところです。

目次

電気事業法の改正

電気事業法改正の歴史は、かなり以前までさかのぼることになります。
最初に電気事業法が改正されたのは、1999年のことです。
これによって、小売部分の自由化が段階的に始まってきました。
つまり、電気事業法の改正とは、電力自由化とも密接に関係していることがわかるでしょう。

ただし、この時は、20,000Vという特別高圧を受電する顧客だけが対象となっていました。
そこから段階的に実施されていき、2016年には電力の小売が完全に自由化されたのです。
また、これによって新たに参入してきた電気事業者を新電力と言われるするくくりができました。

エネルギー供給強靭化法とも関連性が深い

電気事業法の改正は、エネルギー供給強靭化法とも深い関係を持っています。
エネルギー供給強靭化法というのは、国のエネルギー供給事情を強靭化するという目的で実施されるものです。
そして、この中の取り組みの中には、発電施設の分散化などもあります。
さらに、発電を分散化するためには、多数の電気事業者が必要になり、そのためには電気事業法の改正が必要になってくるのです。

災害時連携計画の策定の義務化

間近の電気事業法の改正では、災害時連携計画の策定が義務化されました。
災害時に電気事業者間で連携を速やかにするための計画でもあり、こういった計画を平時から策定しておくことによって、実際の災害時にスムーズに連携をすることができるというわけです。

将来を見据えた広域系統整備計画策定業務

電気事業法の改正によって将来を見据えた広域系統整備計画策定業務が事業者に追加されました。
これまでは、送電網整備の要請がなければ、動かないことが多かったのです。
しかし、これによって、増強要請が出される前に、自発的に動くことが促され、計画的に対応することが可能になってくるのです。

配電網の独立運用を可能にした

電気事業法の改正によって、配電網の独立運用が可能になっています。
これは災害時の対応を強化するためのもので、主に山間部などで災害時の配電の向上を目指して実施されるものです。
ただし、山間部で災害時の配電の向上を目指しているので、これらに該当しない場合には認められない可能性があります。

配電事業ライセンス

電気事業法の改正について学ぶのならば、配電事業ライセンスについても確認しておきたいところでしょう。
配電事業ライセンスというのは、配電事業に参加する事業者のための制度です。
一般的に、新規の企業が配電事業に参加する場合には、配電網を自社で設置することは非常に難しいです。
その技術ならあるかもしれませんが、かなりの広範囲になりますので、費用がまったく足りません。
これが原因で、分散型の配電網が達成できない可能性がありますので、それを解決するために一般送配電事業者の配電網を新規事業者が借り受けたり譲り受けたりすることができるものなのです。
このように企業同士で融通を利かせ合うことによって、お互いのメリットがあり、さらには送電網の分散化にも寄与します。

また、配電事業ライセンスにはもう一つの意味もあって、それが技術革新です。
ライセンス制度によって、新規事業者が増えることによって、中には、エネルギーとITを融合させるような技術を持った企業が現れるかもしれません。
これによって技術革新が促され、新たな技術が生まれてくるといったことも期待しているのです。
目先で考えられているのは、IoTやAIと電気事業を融合するようなものです。
このようなものが達成されれば、電気事業者の運用コストは削減され、さらに新規事業者が入ってきやすい地盤が整うと言えるでしょう。

配電事業ライセンス

利用者がより良いサービスを享受できるためのものでもある

電気事業法の改正は、いろいろな目的があるからこそ実施されました。
その中には、利用者がより良いサービスを享受するためという意味もあります。
なぜならば、電気事業法改正によって、より多くの事業者が電気事業に参入しやすくなりました。
小売の全面自由化だけではなく、配電事業ライセンスなども作られています。

そして、このように多くの事業者が参入することによって、それだけ市場に競争原理が働きます。
これによって、より良いサービスが生まれる可能性があり、消費者はそれを享受することができるというわけです。
そのため、電気事業法の改正は、決して災害時だけのものではないことがわかるのではないでしょうか。