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エネルギー供給強靭化法とは?何が変わるの?改正内容について詳しく説明

エネルギー供給強靭化法とは?何が変わるの?改正内容について詳しく説明

エネルギー供給強靭化法についてご存じでしょうか。
エネルギー供給強靭化法は、これからの日本が豊かになるために、非常に需要になってくる制度だと言えます。
そのため、今後のためにエネルギー供給強靭化法について理解しておくことも大切です。
しっかりと、把握することによってその恩恵を受けやすくなりますので、ぜひ参考にしてください。

目次

なぜ法改正が必要だったのか

エネルギー供給強靭化法が必要だったのには、しっかりと理由があるはずです。
まずは、その必要性について理解して、より理解を深めると良いでしょう。
そもそも、エネルギー供給強靭化法がなんなのかというと、これは強靭で持続力のあるエネルギーの供給体制を整えようというものです。

このようなものの必要性に迫られている理由の1つ目には国際情勢の変化が挙げられます。
日本は、エネルギーを供給するために必要な材料のほとんどを輸入に頼っています。
そのため、国際情勢が悪化することによって、その供給源を絶たれてしまう可能性があるのです。
典型的な例は、第二次世界大戦のきっかけの一つであるABCD包囲網になります。
日本はエネルギーの材料については、中東依存度が非常に高いので、現在のような常に臨戦態勢に入っているような状況では、いつ供給が絶たれてもおかしくはないでしょう。
そんな意味でエネルギー供給強靭化法は、喫緊の課題の一つでもあります。

さらに、日本を取り巻く自然環境は刻々と変化しており、たとえば自然災害の激甚化が挙げられます。
年を追うごとに、強大なパワーを有した自然災害が多くなっており、そのような災害時に速やかに復旧するためには、安定した電力供給が必要不可欠なのです。
これについても、北海道胆振東部地震のブラックアウトなどを見ると明らかでしょう。
加えて、国際的な持続可能エネルギーへの大きな注目というのも関係しています。

なぜ法改正が必要だったのか

エネルギー供給強靭化法によって何が変わる

ここでは、エネルギー供給強靭化法によって何が変わるのかを紹介します。

災害時にスムーズに連携できるようになった

エネルギー供給強靭化法には、災害時に速やかな電力供給を目指すという意味合いもあります。
そのため、災害時には速やかな連携が取れるように配慮されています。
たとえば、送電業者に災害時連携計画を策定させることによって、事前訓練をしようというものです。
これによるメリットは、関係機関の連携がスムーズになるという点で、実際の災害時では、エネルギーの供給能力はあっても、関係機関の連携に不備があることによって、供給が著しく遅れることもあるのです。

送配電網が強靭化する

2018年に北海道でブラックアウトが発生したのは、送配電網の脆弱化も関係していたと言えるでしょう。
こういった事例も踏まえると、送配電網も強靭化は非常に重要になってきます。
具体的には、ほかの地域から電気の融通をするというものになっていて、そのためには、張り巡らされたような送電網が必要になってくるのです。
現状では、とても十分とは言えませんので、エネルギー供給強靭化法に則って、今後は送電網が強化されていくことでしょう。

分散型電力システムの構築

現在の日本の電力事情は、特定の場所に発電を依存している状況です。
これをもっと分散させようというのがポイントです。
電力システムを分散型にすることによって、1つがダメになっても、もう1つの発電所から融通を利かせるということも可能になりますので、メリットは大きいでしょう。
特に山間部では、分散型電力システムを導入することによって、かなり電力事情が安定すると言えるでしょう。

しかし、こういった分散型システムを導入するためには、新規事業者の参入も視野に入れなければなりません。
これまでの日本では、新規の電力事業者が参戦しやすいとはとても言えない制度だったので、そこを踏まえて配電事業ライセンスなども導入されています。

再エネ発電設備の破棄

日本ではかなり大々的に太陽光発電などの再エネ発電設備が導入されてきました。
しかし、その廃棄についてはほとんど考えられていなかったのが現状です。
その典型的な例が太陽光発電、太陽光発電はクリーンなエネルギーと言われている割に、有害物質をたくさん使っています。
太陽光パネルというのは、廃棄されたとしても光が当たると、発電される可能性があります。
そして、それによって感電事故が発生する可能性があるでしょう。

また、太陽光発電に使われている有害物質とは鉛やセレン、さらにカドミウムなどが該当します。
これらは、適切な廃棄が重要になっていますので、不法投棄などが多発すると、地球環境にかなり害を及ぼしてしまうのです。
それを防ぐためにエネルギー供給強靭化法では適切な廃棄についてもアプローチしています。
たとえば、廃棄費用の外部積立を義務化することによって、事業者側にも高い意識を持ってもらおうとする工夫がなされているのです。