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RE100とはどんなものか?背景や取り組み方ついてご紹介

RE100とはどんなものか?背景や取り組み方ついてご紹介

皆さんはRE100とは何か知っていますか?

言葉としてもまだまだ浸透していない言葉です。
今回はそんなRE100とは何か、説明していきます。

目次

RE100とは

RE100は、Renewable Energy 100%の略称で、企業活動で消費するエネルギーを、100%の再生可能エネルギーで賄うことを目標とする国際的な取り組みのことです。

企業が単独で目標を定めて、取り組みを行っていくことは大変で、挫折することも多いですが、RE100で協働しあい、再生可能エネルギーの利用を増やす企業を支援するサポートなどを受けることで、脱炭素化へと移行しやすくなります。

導入の背景

地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出の多くを、企業による直接的または間接的な事業活動が影響を与えています。
世界全体で地球温暖化対策に取り組むことに合意したCOP(気候変動枠組み条約締約国会議)に全世界で取り組んでいくには、世界をまたにかけて活動し、世界市場で事業を行っている大企業の協力も欠かせません。

企業においてはCSRが求められ、SDGsに取り組んでいるかなど、消費者も注目しています。
企業の事業資金の調達先となる投資家においても、ESG投資に注目するケースも増えてきました。

ESG投資とは、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)に着目し、これらにおいて長期的なリスクをもつ企業を避け、ESGに積極的に取り組んでいる企業に投資しようという動きです。
ESG投資は年金基金など巨額な資金を運用する機関投資家ほど積極的に採り入れているため、株式市場で資金調達をしたい大企業にとっては見逃せません。
すでに欧州においては、化石燃料に投資している企業は、投資対象から外されるといった動きも出ています。

企業と取り引きする取引先企業や、一般消費者も、環境保護や地球温暖化防止に取り組んでいる企業の商品を積極的に買う動きもみられるようになりました。
さらには環境に貢献している企業を就活の条件に掲げる人も増えており、少子化で人手不足に悩む時代に、優秀な人材を確保、維持していくうえでも、再生可能エネルギーへのシフトといった取り組みが欠かせません。

1社のみで、どのような取り組みをすべきか考え、どのように目標を設定すればいいかを考え、仕組みを構築するのは大変ですが、RE100に参加することで、目標の達成や、投資家や消費者へのアピールがしやすくなります。

RE100の取り組み方ついて紹介

RE100は、企業が使用する電力の100%を、再生可能エネルギーで発電された電力にシフトするために取り組んでいる企業が加盟できる、国際的な企業連合です。
RE100に加盟して取り組む企業が増えるほど、再生可能エネルギーの需要と供給が大幅に増大していくことが期待できます。

RE100に参加して、どのような取り組みをしていけばいいかは、大きく2つの方法があります。

事業のエネルギー効率を倍増させる取り組み

EP100(100% Energy Productivity)と呼ばれる取り組みで、事業エネルギーの効率を倍増させることを目標に掲げるものです。
省エネ効率を50%改善するなどの取り組みを行うことで、企業はエネルギーコストを削減することにつながり、競争力を強化できるメリットも生まれます。

事業活動で使用するモビリティーを100%ゼロエミッションにする

EV100(100% Electric Vehicles)と呼ばれる取り組みは、地球温暖化に大きな影響をもたらしている物流などの輸送手段の改善に取り組むものです。
ガソリン車から電気自動車へのシフトなどにより、輸送部門における二酸化炭素排出量を削減できるのはもちろん、輸送にかかわる大気汚染や騒音公害を抑えることにも役立ちます。

RE100の具体的な達成方法

企業がRE100を達成するために、具体的にどのような取り組みをしていけばいいのでしょうか。

ひとつ目の方法としては、新規発電設備の導入が挙げられます。
本社ビルの屋上や工場の屋根に太陽光パネルと蓄電池を設置するなどし、再生可能エネルギーの発電設備を建設し、自社内で電気を使用していく方法です。

2つ目の方法としては、発電事業者や小売り電気事業者と再生可能エネルギーを用いた電力購入契約を締結することです。
ただし、再生可能エネルギーの電力供給量はまだまだ少なく、調達コストが高くなるのが課題です。

3つ目の方法として、グリーン電力証書、非化石証書、J-クレジットなど、環境価値証書を購入する方法が考えられます。
もっとも、証書購入コストが高いことや、環境価値証書の割合が増えることで、脱炭素社会への推進力が低減するのが問題です。

脱炭素社会への循環を達成するために

RE100の最大の目的は、脱炭素社会への循環を生み出すことです。
RE100は電力会社などの供給側ではなく、企業などの電力の需要側が再生可能エネルギーの必要性を理解して、再生可能エネルギーへとシフトしていく取り組みです。

この動きを通じて、電力供給を行う電力会社や、新電力などの小売り電気事業者は、再生可能エネルギーの開発を進め、非化石証書の取り引きを活発化させるなどして、より多くの再生可能エネルギーを生み出そうと、事業の改革や見直しを図っていくことになります。

電力需要側から始まった取り組みが、電力の供給側を動かし、自発的に二酸化炭素排出量の多い化石燃料の電気から、再生可能エネルギーの割合が増えていくことが期待でき、調達コストも安くなることが期待できます。