イーレックスグループの海外事業展開
アジア諸国における再エネ事業展開
イーレックスは、ベトナム・カンボジアを始めとしたアジア諸国において再生可能エネルギー事業を推進していきます。また、本事業を地産地消で進めることで、当該国のエネルギー自給率を向上させ、CO2の削減や雇用の創出も見込めます。本事業を通じて開発途上国の経済発展および世界の脱炭素の実現に貢献するとともに、強靭な再生可能エネルギーの構築に向けて多様なバイオマス燃料開発を推進していきます。
今後、ベトナム政府と協力し、ベトナム国内の「バイオマス発電所の新設」「既設発電所のバイオマス化」「バイオマス燃料開発」を更に推進していきます。

ベトナム:「ハウジャン バイオマス発電所」

※発電出力:20MW 燃料:もみ殻
※ベトナム第7次国家電源開発計画の一環として建設。2025年4月に商業運転を開始
ベトナム:新設バイオマス発電所プロジェクト
ベトナム第8次国家電源開発計画の実施計画が承認(2024年4月1日)。18地点(最大1,100MW)の開発を計画中。
イエンバイ、トゥエンクアン発電所については年内着工予定であり、着工後約2年半後に運転開始予定となります。3号案件としてアンジャン発電所を選定。
また、既存石炭火力のフューエルコンバージョンにも取り組む計画をしております。

ベトナム:イエンバイ、トゥエンクワンの新設バイオマス発電所

ベトナム:バイオマス燃料の加工工場
トゥエンクアン省にて、木質残渣等の未利用資源を主な原料として木質ペレットを製造する工場を稼働。
国内とは比較にならない量のバイオマス燃料を安定的に供給できます。
製造したペレットは日本を中心とした海外に輸出します。ベトナムに残存する安価な燃料を活用することで、バイオマス燃料事業を強化します。

日本の脱炭素削減目標達成への貢献
パートナー国(二国間クレジット制度※1)で温室効果ガス排出量の削減・吸収量を行った分を、日本の排出量削減とし、日本の脱炭素削減目標達成に寄与すること。
日本の優れた脱炭素技術を途上国に導入し、温室効果ガス排出量の削減・吸収量をプロジェクトとして実施、その成果を第三者機関が検証・認証して、国がクレジットを発行します。
イーレックスはこれらの発電所から「創出されるカーボンクレジットを日本へ持ち帰り活用」することで、ベトナム・カンボジアなどのアジア諸国だけでなく日本の脱炭素削減目標達成への貢献や企業のオフセットに活用してまいります。
※1 JCMクレジット(二国間クレジット制度):パートナー国において優れた脱炭素技術等を活用して温室効果ガス排出量を削減し、GHG排出削減効果の測定・報告・検証を行い、JCMクレジットを発行し、我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成に活用することを目指している。
カンボジア:水力発電プロジェクト
出力80MW規模の水力発電所建設プロジェクトに出資参画をしております。
カンボジアはアジアの生産拠点として海外企業からも高い注目を集めている一方、経済成長において必要不可欠な電力の供給力は十分ではなく一部を近隣国からの輸入に頼っている状況です。
大規模な貯水量を有する水力発電プロジェクトであり、1年を通じて発電が可能であることから同国の電気の安定供給に大きな役割を果たすことを期待されております。


| 発電能力 | 80MW |
| 売買契約先 | カンボジア電力公社 |
| ダム面積、貯水量 | 85km²(12億m²) |
| 稼働時期 | 2025年(予定) |
台湾:漁電共生型太陽光発電事業
台湾の漁電共生型太陽光発電事業に出資参画しています。台湾政府は、2030年までに30GWの太陽光発電を導入する目標を掲げています。中でもエビやハマグリ等の養殖池の上に太陽光パネルを設置し、漁業と発電事業の共生を図る『漁電共生型』を新たな太陽光発電の手法と捉え、2025年までに同手法で4GWの導入を目指すことを政策としています。
本事業は台湾国内における再エネ導入を促進するとともに、過疎地における漁業の復興を通じ地方創生にも貢献します。

<漁電共生型太陽光発電所のイメージ>
| 事業会社名称 | 鼎龍能源科技股份有限公司 |
| 発電所所在地 | 彰化県芳苑郷王功段(719,338平方メートル) |
| 発電容量 | 約55MW |
| 開始時期 | 2024年度中(計画) |
| 売電期間 | 20年間 |
燃料事業:東南アジアを中心にバイオマス燃料を安定的に調達
良質なバイオマス燃料の安定調達に向けて、現地サプライヤー、商社、海運会社などのパートナーとの連携を強化し、強固なサプライチェーンの確立に努めています。
また、自社発電所向けの供給に加えて、これまでの燃料調達で培ってきたソーシング力を活かし、他社向けにも燃料を販売、「事業者+商社」の機能を持ち合わせており、バイオマス燃料の調達・供給でプレゼンスを発揮。

イーレックスは、PKSを主燃料としたバイオマス発電所を日本で初めて運転開始しました。現在、PKSと木質ペレットを東南アジアを中心に調達しています。
燃料調達における安定確保に向けて、統括拠点子会社「erex Singapore PTE.LTD.」を設立し、マレーシアやインドネシア両国で現地パートナーと共にPKSの集荷・製造事業に取り組む等、調達先の多様化に努めています。
さらに、PKSの調達で培った知見を活かし、外部へのバイオマス燃料供給の強化、拡大を推進しています。
※写真はインドネシア、当社パートナー企業プランテーション
新燃料「ニューソルガム」の開発計画など多様なバイオマス燃料開発を推進

これまでバイオマス燃料として使用してきたPKSと木質ペレットに加え、新たなバイオマス燃料の開発を進めています。
ベトナムで試験栽培している新燃料ニューソルガムは、成長が早く低コストで栽培できることが特徴で、栽培・加工・輸送・発電を含めたライフサイクル温室効果ガス排出量総量は石炭に対して大幅に低減することが可能となります。
今後建設を予定しているNon-FIT大型バイオマス発電所や石炭火力発電所でのトランジション混焼・専焼向け燃料として計画しております。
新燃料の開発により、現地農業者の安定収入や雇用を創出し、地元経済の発展にも貢献していきます。
ベトナムにおけるテスト作付の実績(2021年度)

ソルガム栽培適地の選定根拠
- 日本向けの輸出が容易な国際港への良好なアクセス
- 食糧競合(穀物や果物、ナッツ類)リスクが低い地域
- 農民の所得が低い地域
- 台風リスクの低い中南部
- 大規模農業用の農地取得が容易な地域
ベトナムにおける地産地消のビジョン

サプライチェーンの充実と強化、燃料調達における合法性や持続可能性確保
イーレックスグループのバイオマス発電所の運転開始に伴う、燃料取扱量の増加や、国内の再生可能エネルギー需要の高まりに伴い、良質で低廉な燃料の安定確保が重要となります。現地サプライヤー、商社、海運会社などのパートナーとの連携を強化し、強固なサプライチェーンを確立しています。
イーレックスは自然環境保護や持続的なバイオマス燃料の活用に向けて、発電事業者としては日本初となる「GGL認証」を取得。その他にも生態系保全や持続的なバイオマス燃料の活用に向けて、サプライチェーンの管理などをカバーする各種認証を取得しています。
燃料調達子会社のイーレックスシンガポールにおいても、2つの森林認証を取得しました。
※「GGL認証」:持続可能なバイオエネルギーの製造、加工、輸送、最終利用までを網羅し、独自の 追跡・記録を担保する認証
※「FSC」:森林管理協議会認証。責任ある森林管理を世界に普及させることを目的とする非営利団体であり、国際的な森林認証制度を運営
※「PEFC」:森林認証プログラム認証。1999年に運営開始。世界36国にて森林認証制度を国際的に共通する承認とするための国際的NGO

認証概要
| 認証対象社 | 認証対象 | 取得認証 |
|---|---|---|
| イーレックス | パームヤシ殻 | GGL認証 |
| イーレックスシンガポール | 燃料用木質ペレット | FSC:森林管理協議会認証 (ライセンス番号FSC-C156265) |
| イーレックスシンガポール | 燃料用木質ペレット | PEFC:森林認証プログラム認証 (ライセンス番号PEFC/01-31-1046) |
バイオマス燃料の輸送船「いぶき」竣工
ガットクレーン付きバイオマス燃料輸送船「いぶき」。
比重の軽いバイオマス燃料を効率よく輸送することを目的に、従来型より艙内容積を約3割大きく設計したことにより、積載可能トン数を増加することに成功。さらに、軽量貨物に適した大容量グラブバケットによる効率的な荷役により、輸送コストの低減が可能となります。加えて、ガットクレーン付き輸送船は希少船舶であるため、今後の当社の安定した輸送手段の確保に繋がります。

内航船「いぶき」

内航船「希秀」

