FIT制度とは?FIT制度について詳しく説明
近年エコロジーな活動などが注目を浴びていますが、特に再生可能エネルギーにも注目されています。
そんな中でさまざま言葉が出てきているのです。
そこで今回はFIT制度について紹介していきます。
目次
FIT制度とは
FIT制度とは、再エネ固定価格買取制度(Feed-in Tariff=FIT)のことを指します。
この制度は再エネ電気を、一般電気事業者が一定期間は一定価格での買い取りを国が保証してくれるというものです。
電力会社の売上やコストなどの財務事情を問わず、原則10年という一定期間にわたって国が定めた固定価格で継続的に買取を行います。
環境の変化などがあっても、約束した一定期間は同じ価格で買取ができるよう、そのための財源として再生可能エネルギー発電促進賦課金が、電気の使用者から徴収されます。
毎月の電気料金にプラスして一緒に請求される仕組みとなっており、国民の負担のもとで維持されている制度です。
目的
FIT制度が導入されたのは、地球温暖化防止や脱酸素社会への取り組みを推進させるためです。
再エネで発電した電力や自家消費後の余剰電力を、国の保証のもとで電力会社が有利な条件で買取を行うことで、再エネを導入し、環境に優しい発電を行う事業者や家庭を増やそうという取り組みになっています。
買取対象などの条件について
買取対象となる再エネは、太陽光をはじめ、風力や水力、地熱、バイオマスの5つの種類です。
買取価格と買取期間は、再エネの発電設備の規模や種類などに応じて、経済産業大臣が関係大臣と協議を行い、調達価格等算定委員会の意見にもとづいて決定される仕組みになっています。
そのため、固定価格といっても、どの時点でスタートするかによっても、10年間買取をしてもらう価格に差がつきます。
制度がスタートした2009年11月の時点が最も高値であり、その後、FITを利用する事業者や家庭が増えるにつれ、徐々に固定価格が低下してきました。
事業計画認定の申請手続きの必要性
FIT制度によって一定期間にわたって固定価格での買取をしてもらうためには、ただ、再エネでの発電を行い、電力会社と売電契約を結べば良いだけではありません。
国の保証を受ける事業であるため、国が求める定める事業計画を作成して認定を受け、策定した計画に基づいて新たに発電を行うことが求められます。
国に申請を行い、設置する設備が再エネ買取制度の対象設備であることを認定してもらわなくてはなりません。
また、発電した電気は原則として全量が買取となりますが、個人宅の屋根に設置する10kW未満の極小規模な発電やビル・工場の屋根でよくある10~50kWの太陽光発電のケースでは、自家消費を行った後の余剰電力のみが買取対象となります。
売電目的だけでなく、まずは自分たちの電力を環境に優しい電力で賄えという趣旨です。
売電の方法
出力10kW未満の太陽光発電を除き、全量配線により電気を売ることができます。
新たに設置する認定発電設備の場合は、全量配線で売れます。
また、屋根貸しビジネスとも呼ばれている、電気事業者による再エネ電気に関する特別措置法施行規則に基づく複数太陽光発電設備設置事業者が認定を受けた太陽光発電は、出力10kW未満であっても10kW以上とみなされ、全量配線で売電することが可能です。
制度改正
2009年11月から買取がスタートし、2019年11月より順次、買取期間が満了していくFITですが、実は小売電気事業者による再エネ電気に関する特別措置法(FIT法)が改正されており、2017年4月から新制度に移行しているので注意が必要です。
主な変更点として、買取義務者が変更になりました。
再エネの買取義務者は、従来は小売電気事業者でしたが、これが送配電事業者に変更されます。
もっとも、改正前の2017年3月31日までに契約締結している場合は、制度改正以降も小売電気事業者が継続して買取を行うのです。
認定制度の見直しも行われ、認定を取得するタイミングも変わります。
従来は、まずは認定を受けてから売電契約の申し込みを行って電力会社と契約を締結する形でしたが、契約を締結した後に認定を取得し、さらにその後、特定契約を結ぶ形に変更になったため、注意が必要です。
これに伴い、買取価格の決定時期も認定の取得日になります。
制度改正の注意点
制度改正に伴い、運転開始期限が設けられました。
認定日を起算日とし、一定の合理的期間内に再エネの運転を開始しないと、買取期間が短縮されてしまうことや最悪の場合、認定が失効されるので注意しましょう。
10kW以上の事業用太陽光発電は認定取得後3年以内に運転開始しなくてはならず、期間経過後は買取期間が短縮されます。
10kW未満の家庭用太陽光発電については認定取得後1年内の発電開始が必要で、その期間を経過すると認定失効となります。
制度改正に伴い、認定取得のタイミングや運転開始期限などの制約が設けられたので注意が必要です。