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高圧電力と低圧電力の違いとは?

高圧電力と低圧電力の違いとは?

高圧電力と低圧電力の違いをご紹介します。
電圧や高圧、低圧について理解が深まると、身近な電気の仕組みがよりわかるようになるでしょう。

目次

まずは電圧について知る

高圧電力と低圧電力について知るためには、まずは電圧について知っておく必要があります。
電圧というのは、電流を送るための圧力のことを指しています。
蛇口に例えるととてもわかりやすく、たとえば水道の中に水流が発生するのは、水圧がかかっているからです。

これは水道業者がポンプなどを使って、水道管を流れる水を押し出しているからであって、それによって水圧がかかるのです。
この圧力が高ければ高いほど、大量の水を素早く流せます。
電圧も、まったく一緒だといえるでしょう。

ただし、水流と水圧の関係と電圧と電流の関係には違いがあります。
大規模な水を送るためには、それなりの水道管の太さが必要です。

しかし、電気を送電する場合には、必ずしも電線を太くする必要はありません。
事実、高圧電線などには、意図的に細く設計されたものもあります。
電圧が高くなれば、電流は必然的に小さくなります。

さらに、電圧について理解できたのならば、変圧についても押さえておきましょう。
例えば、トランスと呼ばれる変圧器があります。

これは大規模なものもあれば小規模なものもあり、家電製品などに設置されていることも多いです。
変圧というのは、電圧を用途に応じて、利用しやすいように変えてやることをいいます。

基本的には、電力会社からは高電圧で送られてきますので、目的にあわせて電圧を下げてやることが多いです。

低圧電力について

低圧電力の定義は、直流の場合は750V以下のものを指しています。
交流の場合は、600V以下のものを指しています。

主に、トランスで100V・200Vに降圧されて、各場所に送られます。
一般的な家庭の場合は、この低圧電力が送られてきているとわかり、そのほかに小規模な商業施設などもこの低圧電力が使われています。

電灯やコンセントは、ほとんどが100V・200Vに対応するようにつくられていますので、低圧電力は重要なのです。

高圧電力について

高圧電力の定義は、直流の場合は751V以上から、7500V以下です。
交流の場合は、601V以上から7000V以下です。

一般的なオフィスビルには、6600Vで引き込まれていることも多いので、高圧といっても、意外に身近な存在です。
基本的には、商業施設用の電圧になっていて、特殊な機器の多い店舗やスーパーマーケットなどもこれに該当するでしょう。
ほかにも、多種多様な施設に対応しています。

また、オフィスビルなどには、6600Vなどの高圧で引き込み、そこから変圧器を使って降圧、ポンプや空調機のモーターなどの動力は400V、電灯は200V・100V、コンセントは100Vといったように使われることもあるのです。
そんな意味では、高圧電力は非常に柔軟性の高いものだといえるでしょう。

特別高圧について

高圧電力には、当別高圧という種類もあります。
高圧電力は直流で7500V以下、交流で7000V以下となり、それ以上の電圧については、特別高圧に指定されます。

動力が非常に多い工場や大規模な商業施設などは、高圧電力ではなく、当別高圧電力で引き込まれ20000Vくらいの超高圧で引き込まれるのです。
駅前の大規模商業施設などには、この特別高圧が使われていることも多いです。

一般的には、あまりなじみのない電圧だといえるでしょう。

なぜ電圧を変える必要があるのか

電圧について学ぶと、なぜいちいち変圧という仕組みを利用しなければいけないのか、疑問に思ったのではないでしょうか。
家庭は、最初から低圧電力で引き込めばよいと考えるでしょう。

しかし、実際には電柱上のトランスで変圧されて200V・100Vまで押さえられているのです。
その理由は、送電コストにあります。

基本的に、電圧を高くしたほうが送電コストは低くなります。
さらには電線は銅でできていますので、太くすれば重いですし、何より高額になってしまいます。
そのため、電力会社としては、できるだけ電線を細くして、送電コストを下げたいのです。

そこで、利用されている仕組みが高圧で近くまで送電し、そこから変圧して、用途にあわせて電圧を低くするというものです。
要するに、電圧を低くして引き込んでしまうと、電気料金は高くなってしまいます。

電気は、電圧が低いほうが送電コストが高くなるために、引き込むほうも工夫をしなければなりません。
オフィスビルなどでは、6600Vのような高圧で引き込みますが、これは電気料金を安くするというメリットがあるのです。