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排出量取引制度とは?排出量取引制度について詳しく説明

排出量取引制度とは?排出量取引制度について詳しく説明

二酸化炭素による地球の温暖化は以前からかなり問題となっていました。
そこで考えられた制度が排出量取引制度です。
今回は排出量取引制度について紹介していきます。

CO2削減は喫緊の課題

地球温暖化は年々進行し続けていっています。
この調子で温暖化が続けば北極などの氷は完全に溶けてしまい、海水面が上昇して島国などは海の底に沈んでしまうという予測も立っているのです。
そんな温暖化の一端として考えられているものに、二酸化炭素の大量排出が挙げられています。

現在では世界中の国々がこの二酸化炭素をいかに減らせるかを課題としているのです。
とはいえ、完全に二酸化炭素の排出を削減できるわけはありません。
人間が産業活動を行っている限りはどうしても二酸化炭素は生み出さざるを得ないのです。
特に大企業ともなると多くの商品を売り出さなくてはいけません。
経済と環境のバランスをいかに均等にするかは難しいミッションなのです。
そんな企業のために作られた制度として、排出量取引制度が挙げられます。

CO2排出の権利をお金で買う?

そもそもすべての企業がたくさんのCO2を排出しているわけではありません。
中にはたくさんのCO2を出さざるを得ない企業もあれば、CO2の排出を少なく済ませられる企業もいます。
そんな中で一律にCO2を削減しろ、と言われたら前者の企業が割を食ってしまうでしょう。
そのため、どうしてもCO2を削減できない企業のために排出量取引制度が生み出されました。

この制度はあらかじめ企業ごとにここまではCO2を排出しても良い、という限度を設けます。
そして、限度よりも大きくCO2を排出している企業は、限度よりも少なく排出している企業にお金を出せば、排出量を買うことができるのです。

このような制度を設けることによって経済と環境保護のバランスが取りやすくなりました。
経済を重要視する企業は産業活動を行うことで手に入れた利益をもとに排出権を買うことができます。
一方で、環境保護を重視する企業はCO2排出を抑えることでさらに利益を得ることもできるようになったのです。

排出量取引制度のメリット

排出量取引制度のメリットは、なんといっても経済を反故にすることなく環境保護を行える点にあります。
極端な話、すべての企業が産業活動をやめてしまえばCO2は排出されなくなるでしょう。
しかしながら、そうしてしまえば我々人間は暮らしていけなくなります。

社会が今のような仕組みを確立してしまった以上、完全に後戻りすることはできないのです。
そんな中で経済を今の水準で維持しつつ、同時に環境保護も行える排出量取引制度は画期的なものでした。
また、この制度のメリットは企業のCO2削減のためのさまざまな努力を促進できるというところにもあります。

すべての企業が経済活動を促進させるための技術開発に労力をかけていたら横並びになってしまい、新しいアイディアが生まれにくくなってしまうでしょう。
そんな中であそこは経済活動を優先するけど、うちは環境保護を優先しよう、というように技術開発に多様性をもたらすようにすれば、より新しいアイディアが生まれやすくなります。

排出量取引制度のデメリット

排出量取引制度にはカーボン・リーケージという現象が起こるという問題点が指摘されています。
そもそも排出量を決めるのはWWFという機関で、そこがこの国はこれだけのCO2を排出して良い、という按配を定めているのです。
当然ながらすでに経済活動が飽和しつつある先進国は排出量の基準が厳しくならざるを得ません。

一方で、これから経済活動を本格化させていく発展途上国に対しては基準が比較的緩く設定されやすくなります。
近年ではそこに目をつけた大企業が先進国から離れ、発展途上国に拠点を移すという現象が多くなってきました。
本国で厳しい排出量制限の中で経営を続けていくくらいなら、発展途上国でたくさんCO2を排出したほうが良い、というわけです。
これにより本当に制限したいはずの大企業のCO2は削減できないのではないか、という問題が浮上してきました。
これがカーボン・リーケージと呼ばれる現象です。

世界に広がっていく排出量取引制度

少なからぬ問題を抱えている排出量取引制度ですが、2005年の導入からさまざまな修正を加えつつ今現在も運用が続いています。
参加する国々も年々増えてきて、今では世界40か国にまで導入する国が増えてきました。

特に2020年に中国が排出量取引制度を導入したのは記憶に新しいところです。
中国は21世紀に入ってからも爆発的な成長を遂げ、今やアメリカと並ぶ経済大国になりましたが、一方で二酸化炭素の大量排出が問題視されていました。
そんな中国が排出量取引制度を導入したので、今後は少しずつCO2の排出が抑制されていくことが期待されています。

もちろん日本も早くから排出量取引制度を導入した国の一つです。
現在も日本の企業がさまざまな形で二酸化炭素をどう削減するか、どのように排出量をやりくりしていくかを模索し続けています。
経済成長を維持しつつ、同時に環境保護を行う企業活動に注目していきましょう。