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新電力に切り替えたら停電が増えるのか?

新電力に切り替えたら停電が増えるのか?

新電力の利用を躊躇している人の中には、停電が増えそうという人も多いようです。
新電力への切り替えによる停電は、ありえるのでしょうか。

今回は、新電力へ切り替えることで、停電が増えるのかをご説明していきますので、ぜひ確認してみてください。

目次

新電力は安いが停電は大丈夫なのか

新電力は、各社が切磋琢磨し電気料金を値下げしていますので、かなり安い値段で利用可能です。

しかし、電気は安いのはいいのですが、停電は大丈夫なのか、安定的な電力供給に問題はないのかといったところは気になるところです。
いくら安くても、停電が頻発するのであれば、使いにくいイメージがつきまといます。

新たに電線を追加するのか

まず、この部分については勘違いしている人も多いかもしれません。
新電力に切り替えるには、中には電線を引っ張ってきて、新しい電線から電気を受けると思っている方もいるでしょう。

しかし、実際には、既存の電線を利用して、今までどおり電気を使うことになります。
つまり、切り替えた時点では、設備については何も変わらないことです。

このことからも、設備という観点からは、停電しやすくなることはないのです。
また、仮に新電力会社の電気の供給が追い付かなくなった場合や、トラブルなどで十分に電気を供給できなくなった場合は、既存の電力会社から電気を融通してもらえるバックアップ契約もしています。

そのため、平時においては、電力不足で停電することはないでしょう。

設備の保守管理はどこがやるのか?

これは、新電力を利用するうえでとても気になる問題です。
切り替えた時点では、これまでとまったく変わらずに電力を供給してもらえることがわかりました。

送電線網などの保守管理は、新電力会社よりも、大手電力会社のほうがノウハウが蓄積されています。
送電線網などの保守管理は、大手電力会社が今までどおり対応することとなります。

つまり、大手電力会社が保守管理を担いますので、安全に電気を利用できるでしょう。

災害時の停電について

日本程の技術力を誇った国であれば、平時での不具合などによる停電は、基本的には考えられません。
新電力会社も、既存の設備を使っているので、停電の心配はないでしょう。

しかし、重要になってくるのは災害時です。
エネルギー安全保障は災害時こそ真価が発揮され、新電力会社はこれらに対応できるのか気になるところです。

ただ、この点についても今のところは安心で、災害時に新電力会社の電力供給が追い付かなくなった場合であっても、大手電力会社がバックアップ契約でフォローしますので、これまでの災害時と同じようなイメージで対応してもらえるでしょう。

ただし、過去の経験からもわかるかと思いますが、大手電力会社の電力供給だからといって、必ず停電しないというわけではありません。
状況によっては、停電することもありえます。

ただ、新電力へ切り替えることで、災害時に停電が増えることはないと把握しておきましょう。
この部分は、勘違いしたくないところです。

国全体の電力事情は悪化する可能性が高い

現状のところ、大手電力会社は盤石の地位を築いていますので、新電力に切り替えたことで、停電が増えることはありません。
しかし、長期的な視野で見ると、電力自由化で大手電力会社の力は弱体化していくので、国全体で見ると、今後の電力事情は少しずつ悪化していく可能性が高いといえるでしょう。

核融合炉などの画期的な技術が浸透すること自体は変わるかもしれませんが、現状のままでは、悪化する可能性のほうが高いでしょう。
大手電力各社は、国の電力供給の要ですので、ここが弱体化することにより、電力供給になんらかの不具合が発生する可能性は、まったくないわけではありません。

停電についてはあまり考える必要がない

新電力と停電について考えてきましたが、現状のところ、新電力会社への切り替えによって、停電が頻発することはありません。
送電線網の保守管理もしっかりと既存の大手電力会社が担っていますので、安心して送電してもらえるでしょう。

そのため、停電が心配で新電力を利用していないというのならば、それはまったく無用の心配だといえるでしょう。

今後のことを考えると、新電力会社の利用とともに、自家発電などへの意識も高めていくことが重要なのかもしれません。
自然エネルギーなどを利用して自家発電を行えるような設備を整えておくと、万が一、停電が発生した場合であっても、電気に困ることはないでしょう。